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関東地方に暮らす「川の学校」卒業生とその家族による同窓会キャンプの2日目。
雨もあがり、野田校長も到着。
青空と爽やかな風、キャンプ場に響くハモニカの音色。
リンさんがつくる麺料理を味わい、ビールを飲むという至福な時間を過ごした。

June 01

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June 01

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今日、近畿から関東地方まで梅雨入りと発表があった。
見上げる空は曇天で、夕方前には強い雨が通り過ぎていった。
昼寝から目覚めた後は、半月分の着替えをまとめ、機材の整理。
いつものことながら天気が心配だけど、こればかりは仕方ない。
せめて撮影中だけは青空が出てくれることを祈って、再び旅の空を見上げる日々のはじまり。

June 02

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とりあえず出発。

June 03

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明け方近く、牧之原SAに到着。
SA建物奥にある仮眠広間でしばらく眠った後、出発。
昼過ぎ、京都到着。
ここで「川の学校」スタッフの拓也と別れ、国道1号線を使って大阪市内のモンベル本社へ。
16時ちょうどにモンベル本社へ到着し、パドルやカヤック、テント等をお借りし、ライターのTさんと合流。
鳴門ICを降り、徳島到着。
最近改装したばかりの「びんび家」で久しぶりに食事をした後、鳴門駅に近いビジネスホテルで就寝。
ながい一日だった。

June 03

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心配していた天気も回復し、台風の影響で大きくなったウネリも収まりつつあった。
それだけでも嬉しいのに、雲のあいだから青空が広がりはじめたのには、ちょっと感動。

午前中、BE-PAL誌の撮影でライターのTさん、海洋ジャーナリストの内田正洋さんとともに鳴門の海を漕いだ。
といっても、ぼくはパドルを持たずにカヤックへ乗ったので、漕ぐという表現は適切じゃないな。
ダブル艇にぼくの乗せて漕いでいただいた鳴門のシーカヤックガイドショップ「HORIZON」の尾崎さん、どうもありがとうございました。

午後は日和佐へ移動し、野田さんと内田さんの対談取材を撮影。
このときの模様は来月10日発売のBE-PAL・8月号で。

June 04

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昨夜は牟岐町・内妻海岸にある「民宿内妻荘」に泊まった。
思いのほか料理が美味しくて、波の音を聞きながら眠りにつくとすぐに熟睡できた。
6時に起床し、障子をあけると外は雨が降っていた。
携帯で天気をチェックしてみると、今日は一日こんな感じらしい。

最悪。
今日も撮影があるというのに。

June 05

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ときおり雨粒が激しく川面を打つなか、撮影を終えた。
遅い昼食で身体を暖めた後、ライターのTさんを徳島空港へ送った。
ぼくの旅はまだ終わらない。

空港で濡れた荷物の整理をしていると雨が小降りとなり、空が明るくなっていった。
午後4時、すっかり雨はあがり、強い日差しがアスファルトを照らした。
もっと早く晴れてくれればいいものを。
複雑な思いで空港を後にし、吉野川を渡った。

夜、日和佐にある「道の駅」へ立ち寄ると、見たことのあるオートバイが停まっていた。
持ち主は数日前の「関東版・川の学校同窓会」で会ったばかりのスタッフ・タロウだった。
なんでも同窓会の後、フェリーでこっちへ来ていたらしい。
「今日は雨なのでここでずっと本を読んでいた」とのこと。
コンビニでビールを買い、ぼくも今夜はここで寝ることにした。
酔いと疲労が身体をまわり、程なくしてキャビンにて熟睡。

June 05

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早朝、野田さんの自宅へ立ち寄り、アレックスとハナを預かった。
今日から数日、二匹のボーダーコリー犬と旅をするのだ。
ピックアップキャビンのキャンピングカーと犬との組み合わせは、かのスタインベック氏みたいじゃないか。

June 06

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何人ものお遍路さんを追い抜き、泥で濁った海部川を渡った。
近年、雨が降るたびに濁りがひどくなっていく海部川を見るのは辛かった。
初めて見たときは“すごい川”だと驚いたのに、年々“普通”の川へなっていく。
源流の山が皆伐された影響だろうか。

左に太平洋を眺め、国道55号を西へ。

June 06

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なんとか日没前に四万十川中流の口屋内集落へ到着。
アレックスとハナに夕食を食べさせた後、沈下橋左岸に建つ「民宿せんば」に顔を出すと、誰もいない。
おかしいなぁ。
携帯かけてみようかな、と思ったそのとき、メグさん登場。
なんでも今夜はお客さんと一緒に黒尊川の河原で蛍を眺めながら夕食を食べるのだという。
犬二匹を連れて、ぼくもその宴に参加。

今年はじめて眺める蛍、美味しい酒と料理に癒された夜だった。

June 06

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早朝、アレックスとハナと遊ぶために沈下橋を渡ってきた子どもたちに起こされる。

June 07

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別れの挨拶は「また犬を連れてきてね」。
そしてぼくではなく二匹の犬に「バイバイ」と手を振る子どもたち。
口屋内から宿毛港へ移動し、佐伯港へ向かうフェリーに乗船。

June 07

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大きく揺れることもなく、約3時間で佐伯港へ到着。
アレックスとハナを港で散歩させた後、国道を南へ走り、今夜の目的地を目指した。

June 07

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昨夜は川岸に車を停め、キャビンにて就寝。
犬の鳴き声に起こされ、早朝の堤防をジョギング散歩。
水気を含んだ空気が気持ちいい。
広いグランドでリードを外すと、二匹の犬も気持ち良さそうに走り回っていた。

June 08

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午前中、ライターのF君をピックアップし、明日から始まる取材のロケハンを行った。
ところがそれまで助手席が自分の席だと思っていたハナは、納得いかない様子。
後ろに座れと言っても、前にやってくるのだ。
仕方なくF君の膝の上がハナの指定席に。

June 08

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明日からぼくらがカヌーで旅をする川は、近年稀にみる素晴らしい川だった。
雨が続いているにもかかわらず、濁りはいっさいなく、目立つ水位の上昇もみられない。
淵と瀬を交互に繰り返し、流れはいたって清冽。
数メートルもある淵の底がはっきりと見通せる透明度なのだ。

きっと流域の山がしっかりしているのだろう。
数十年前まではこの程度の川はどこにでもある“普通”の川だったはずだが、現在の日本にはこのような川が少なくなってしまったのが寂しく、悔しい。

日が暮れると、無数の蛍が川面を舞い、星空が現れたような美しさだった。
こんな川がいまも流れていることに感謝。

しかし、きっとみんなが知りたいと思う、この川の名前は残念ながらいえない。
仲間内で相談し、この川の名前は伏せることに決めたのだ。
そのかわりと言ってはなんだけど、この川で撮影した3枚の写真をプレゼントします。
もし良ければデスクトップ画像として使ってください。
ただし著作権は放棄していないので、あくまでも個人のパソコン上で楽しむ範囲でご使用ください。

上)川霧
中)瀬と淵
下)蛍の乱舞

June 08

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いい川で遊ぶと、しぜんと表情がニヤけ、笑いがこぼれるのがいい。

June 09

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天気は坂道を転げ落ちる勢いで下りはじめ、梅雨のなか休みも残念ながらこれまで。
昼過ぎには土砂降りの雨へとかわり、とりあえず橋の下へ避難し、おにぎりを頬張った。
こんな雨のなかで川遊びをしても面白くない、ということで川下りを切り上げ、キャンプ地へ移動。
川下りの途中で捕まえたテナガエビやカマツカ、ウナギやカワムツなどを肴に酒を飲み、宴会がはじまった。

この旅の様子は、来月10日発売のBE-PAL・8月号に掲載されます。こうご期待。

June 10

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天への祈りは虚しく空振りで、今日は昨日よりも土砂降りの雨。
仕方ないとは思いつつ、全身濡れネズミとなってキャンプの撤収。
ハナは濡れるのをモノともせず、川のなかへ。
ぼくらも焼けクソになって、ハナに続いて流れのなかへ。

June 11

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撤収を終えて街へ戻る途中、気になる光景を見つけた。
川の背後にある山が皆伐され、まる裸になっていたのだ。
このような山を丸裸にしてしまう伐採方法は、残念ながら一般的に行われ、珍しい光景ではない。
ただし、自然環境のことを考えると、できれば避けて欲しい伐採方法なのに。

かなりまとまった雨が降り続いたせいもあり、伐採後に露出した山肌が洗われ、山の泥が川岸近くまで流れ出してきていた。
たぶん、この泥のラインが川の生命線なのだろう。

昨日からずっと雨が降っているというのに、まったく濁る気配のない清冽な流れも、このままの状況ではそう長くはないだろう。
川石が転がる河原も土に覆われ、綺麗な河原からススキなどが生える土地へと姿を変え、雨が降るたびに濁る川へとなっていくのだろう。

川下りの途中で出会ったおじいさんの言葉がいまも頭に残っている。

「この川は、昔となんもかわらない」

「昔は良かった」といまでは何処の川でも口癖のように聞かされるのに、この川では地元の人が「昔とかわらない」と認めていることに、ぼくらはまず驚き、感動したばかりだというのに。

June 11

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昨日の夕方、現地近くでみんなと別れた後、ぼくと犬二匹と野田さんは日田まで移動。
今日は筑後川に沿って久留米まで移動し、いまが旬の「エツ」料理を味わった。

June 12

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昨夜までの雨が嘘のような天気。
ホテルのテレビをチェックすると、九州をはじめ西日本全域が晴れているらしい。
脱力。
もう少し日にちがずれていたら、もっと素晴らしい写真が撮れたはずなのになぁ。

いろいろあって落ち込んだ気持ちのまま九州を離れ、瀬戸大橋を渡って再び四国へ上陸。
そして日没と同時に徳島県南の日和佐へ到着。

ここでアレックスとハナと別れ、ぼくは一路東京へ。

June 13

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昨夜は淡路SAで突然睡魔に襲われ、就寝。
今日は朝から路上の人となり、開通したばかりの「新名神」「東名阪」「伊勢湾岸道」を通って「東名」へ。
初めて通るルートということもあり、いままでの「名神ルート」よりも早い感じがする。
昼寝と食事を繰り返し、夕方には事故もなく帰宅。
今回の走行距離は約3500km。

June 14

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パソコン作業の合間、久しぶりに自宅近くを散歩。
その途中で見つけたカカシのようなもの。
ベランダに置かれたこれはなんだろう。

June 15

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梅雨だというのが嘘みたいな空の下、午前中から現像所などをまわり、夕方から某編集部で写真のセレクト作業を行った。
都内の移動は折り畳み自転車。風が爽やかで気持ちいい。

June 16

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納品を済ませた後、次の打ち合わせまで時間があったので、無線LANが繋げるマクドナルで休憩した。
出張が多い自分にとって、ソフトバンクテレコムが行っているこの「公衆無線LANサービス」はかなり有難い存在で、旅先ではこのサービスを提供しているマクドナルドをかなりの頻度で利用している。

ネット接続できるうえに、車も無料で駐車することが可能で、店舗によってはコンセントも使うことができる。
そのため移動の途中でマクドナルドを見つけると、しぜんと休憩とメールチェックを兼ねて寄ることが多い。

と書いたものの最近は便利だと思う頻度と同じくらい、マクドナルドで不愉快になることが多くて困っている。

メニューやサービスに不満があるわけではない。
店内があまりにも騒がし過ぎるのだ。度を超すほどに。

マクドナルドは図書館ではないし、仲良く笑い合って食事を楽しむ空間だと思っている。
でもだからといって、大声を出したり、携帯の着メロをカラオケにして歌ったり、走り回るのはどうかと思う。
限度を超えて騒ぐ中高校生たちがあまりも多く、落ち着いて席へ座れる状況じゃないことが度々あるのだ。
「学級崩壊」という言葉があるけれど、まさに「社会崩壊」といった光景。

そんな光景がどこにでもあるひとつの風景となり、各地で同じような中高校生を目にする機会がここ最近増えてきているように思う。
学校の教師も大変だろうなと同情したくなるほどに。

100円で飲み物やソフトクリーム、ハンバーガーを食べられる時代。
学校帰りに友だちと小腹を満たしつつ、話に花を咲かせるのは楽しいだろうし、おおいにけっこう。
でも、マクドナルドは自分の家ではないことを忘れないでくれよ。

June 17

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June 18

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先日の旅において、iPodとカーナビを接続するコードを犬に噛みちぎられてしまった。
ほかにも携帯充電器やサイドブレーキレバーなども彼女たちの退屈しのぎの犠牲になったけれど、それはまあ仕方ないこととしてすぐに諦めがついた。
でも引きちぎられたiPodのコードを見つけたときは、けっこう凹んだ。

音楽のない車内でのひとり長距離運転に懲りたぼくは、帰宅後真っ先にヤフーオークションで類似のコードを探し、購入の手続きをとった。
その待ち望んだコードが本日到着。

これで来月、再び九州へ行く気になった。

June 19

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忙しい日々から退屈な日々へ。
この起伏の激しさはジェットコースターに近いかもしれない。

本日、都内某所で「川ガキ写真展」を開催できそうだと連絡をいただきました。
予定だと8月に開催し、開催期間は約2週間ほど。場所は野外。
詳細が決定しだい、お知らせします。
東京でいま一番注目されている場所での開催なので、チョー緊張です。

それとぼくの初めての書籍、川ガキについて綴った本が来春に刊行されるかもしれません。
といっても、まだ一行も書いていないんですが…

自宅のまわりに咲く紫陽花が、目に潤いを。

June 20

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久しぶりに恵比寿へと出かけ、渋谷まで歩いた。

June 21

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ここ数日、梅雨らしくない天気が続いていたけれど、今日は朝から雨。
家で仕事をしなければいけないときに外が雨だったりすると、散歩遊びもしたくなくなるし、好都合かもしれない。
なんてことを考えながらパソコンと向き合い、納品する写真データをいじりつつ、ときどき台所に立って料理を作っては食べている。
明後日からまたしばらく家を留守にするので、冷蔵庫のなかを片付けなければいけないのだ。
昨日と今日の昼飯は、手作り辛子明太子を絡ませたパスタ。
けっこう食べたんだけど、まだなくならないので、たぶん夜も同じメニュー。

June 22

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明日からまたしばらく東京を離れます。
今回は仕事ではなく、突発的に決めてしまった個人的好奇心にかられた旅です。
傍から見ると年中遊んでばかりにしか見えないだろうけれど…そんなぼくにだって旅に癒されたいときもあるんだよ。

June 23


May 2008-July 2008