top.gif

081001.jpg

再び紀伊半島の熊野川へ向かっている。

昨夜22時半に自宅を出発し、午前1時半過ぎに牧ノ原SAまで到着。
トラックがいつも以上に多く感じ、それでいて土砂降りの雨が重なって、かなり走り辛かった。
だけど、まだ半分も走っていない。

ある程度まとまった雨が降り、河川が増水しないと行われない漁を撮影するのが、今回の目的。
先日の台風13号が来襲した際には、鮎が2000尾以上も捕れたという。
そして今回の台風15号。
昨日から天気図を眺めては、その度ごとに行こうかどうか悩んでいたけれど、結局出掛けることに決めた。
もしかしたら期待した写真が撮れないかもしれないけれど、同じ後悔するならば、自宅ではなく現地のほうがいい。
さあ、もうひとふんばり。

October 01

081001-02.jpg

途中、四日市に近い御在所SAで4時間ほど仮眠。
再び走り出し、紀勢自動車道の大宮大台ICから国道42号線へと進む。
雲がすごい勢いで北へと流れ、空が明るくなっていく。
ラジオのニュースによると、台風の進路が予想よりも南へ移動し、昼過ぎには晴間が広がるという。
期待した大雨は見事に外れたみたい。

October 01

081001-03.jpg

熊野川に到着後、目的地の支流へ向かった。
昨日は一日中雨が降り続いたようで、川は少し増水ぎみ。
期待しつつ漁が行われる現場へ向かうと、雨合羽を着たふたりの男性に出会った。
話を伺うと、この程度の雨では駄目だという。
それでも別の場所を紹介していただき、そちらへ向かう。
道からは見えないその場所へ着くと、ちょうど夫婦で鮎を獲っているところだった。
クーラーボックスをのぞかせてもらうと、25cmを前後する鮎が100匹ほど入っていた。
話を伺わせていただき、写真を撮らせてもらった。
夕方以降、日が暮れてからが勝負だというので、晩飯をご馳走になり、最後まで付き合わせていただくことにした。
さすがに夜になると、Tシャツ姿は寒い。
漁の合間、火鉢を囲んで獲れたばかりの鮎をいただく。
鹿の鳴き声が山にこだまし、見上げる空には数えきれないほどの星が散らばっていた。
来て良かったと思える夜だった。

October 01

081002.jpg

October 02

081002-02.jpg

三重県熊野市にある「花窟神社」にて、例大祭を拝見する。
信仰の対象となっている岩肌から境内に立つ松の木に綱が渡され、綱に結ばれた季節の花々が秋晴れの空に舞っていた。

October 02

081003.jpg

昨夜遅く帰宅。
昼近くまで眠り、午後は明日の宴のための準備を行った。
近所の商店街を歩き、肉や野菜などを購入。
ある魚屋では、刺身でも食べられる生サンマが一尾60円。
さすが十条。

October 03

081004.jpg

久しぶりに我が家で宴をひらき、友人や知人らが遊びにきてくれた。
初めて会う方が何人かいたものの、毎度のことながらバタバタとしてしまい、あまり話せなかったのが残念というか、ぼくの悪いところ。
もっと落ち着いていればいいんだろうけれどね。
足を運んでくれたすべての方に感謝します。
楽しい時間をありがとう。

October 04

081005.jpg

昨夜の後片付けを手伝ってもらった後、友人らと近所の公園へ出かけた。
公園で軽く汗を流し、友人らを駅へおくった。
いつも以上に喉が乾き、身体が重く感じた。
気持ちの良い青空だけど、自宅に戻って昼寝。
疲労に二日酔いが重なり、夕方までのんびりと過ごし、一日が終わった。

October 05

081006.jpg

昨夜から降り出した雨は時折強く屋根を叩き、冷たい風が樹木を揺らした。
窓を開けると、雨音のなかにエンマコオロギの鳴き声が聞こえ、環七を走る救急車のサイレンがそれらに加わった。
ほのかに香る金木犀。
夕方、暮れ始めた太陽が顔を出し、路地に鬼ごっこをする子どもらの笑い声が響いた。
今年もあと数日で花が咲く。

October 06

081007.jpg

つぼみもほころび始め、部屋のなかに金木犀の香りが広がった。
家中の窓を開き、季節の香りを楽しんでいる。
外へ出掛ける予定をキャンセルし、今日は一日家にいようと思う。

October 07

081008.jpg

夕方、自宅へ戻ると金木犀がすっかり開花していた。
玄関脇に植えられ、2階の屋根まで届くほど成長した金木犀。
数えきれないほどの小さな花冠から漂う甘い香りが、狭い路地に充満していた。
今年も咲いてくれたことに感謝。

October 08

081009.jpg

October 09

081009-02.jpg

October 09

081009-03.jpg

昼間、上野動物園に勤務する友人に案内してもらい、展示舎の裏側を少しだけ見学させてもらった。
普段は飼育係しか入ることのない建物へ入ると、飼育されているそれぞれの動物の匂いが表側よりも強く漂っていて、動物の気配を強烈に感じることができた。
餌の匂い、排泄物の匂い、動物が放つ体臭の匂いなどなど。

鉄製の檻越しに眺めるのが普通だった動物園も、いまでは透明アクリルを取り入れる展示舎が現れ、近距離で違和感なく動物を眺められる場所が増えてきた。
上野動物園も多くの展示舎にアクリル窓が取り入れられ、運がいいときは動物をすぐ目の前で見ることもできる。

この日は飼育舎の裏側から別々の部屋にいるゴリラやトラを眺めさせてもらったのだが、表で見るのとは違って目の前の動物を怖いと感じた。
動物の気配というか迫力がまるで違うのだ。
匂いがあることで、そのように感じたのだろうか。
動物との間には頑丈な鉄柵があるというのに、襲われるかもしれないという恐怖感。
ちょっと不思議な感覚だった。
この感覚を一般の方にも感じてもらえる展示ができたら、素晴らしいと思う。

あと、日本に2匹しかいないという「ミミセンザンコウ」も間近で見せていただいた。
触らせていただくと、皮膚は硬いウロコ状なもので覆われ、まるで甲冑を身につけている武士みたい。
でも動きはとても大人しく、危険を感じると身体を丸め、なんとも愛嬌のある生きものなのだ。
分布は中国南部から台湾、インドネシアへかけての東南アジアの森林地帯。
ウロコが漢方薬の原料として取引させているため、トラやゴリラと同じく、センザンコウもまた密猟による絶滅が危惧されているという。

貴重な経験をさせていただいた友人に心から感謝。

October 09

081010.jpg

午前3時に自宅を出発し、ただいま御在所SAで昼食中。
ラジオで聴く今朝の株価急落。
けっこうすごいことになってきた。
ニューヨークの原油先物相場も下がり、昨日は昨年10月以来の安値となる1バレル・82.07ドルを付けたという。
投機資金が原油から離れていったためなのだろうか。
目の前にある給油所のレギュラー価格は現在167円で、軽油は152円。
燃料が通常の価格に戻っていくことは歓迎だけど、今後どうなっちゃうんだろうか。

October 10

081010-02.jpg

October 10

081010-03.jpg

16時50分。鳴門大橋を渡って、徳島へ上陸。

October 10

081011.jpg

October 11

081011-02.jpg

キャンプ地に着いた子どもは昼食を食べた後、目の前を流れる川へ次々と飛び込んでいった。

October 11

081011-03.jpg

勇気をだして、高さ10メートル近い岩場からジャンプする子も。
めっちゃ怖かったけど、めっちゃ気持ちいい。

October 11

081011-04.jpg

October 11

081012.jpg

川の学校・2日目。
地元の方の指導の元、全員で「殻引き漁」を行った。
殻引きとは、サザエ等の貝殻を等間隔にくくりつけたロープを使っての追い込み漁のこと。
川底をガラガラと引きずるように下流から上流へとロープを移動させ、前もって上流に設置したサデ網に魚を追い込むのだ。
最初はめんどくさそうな顔をしていた子どもたちも、ロープが狭まり、魚の姿が見えてくると大興奮。
はやる気持ちを押さえ切れられず、子どもたちのペースはだんだんと早くなり、ロープは歪な形に。
それでもサデ網のなかには、徳島で「ジンゾク」と呼ばれるヨシノボリなどがたくさん入って大漁。
我れ先にと、魚を捕まえようとする子どもたちで現場は大騒ぎ。響く歓声。
捕まえた小魚は佃煮に姿を変え、子どもたちのお腹のなかへ。

October 12

081012-02.jpg

さすがに10月ともなると、川の水は冷たい。
それでも子どもたちはヤスを握りしめ、川へ飛び込んでいくのだから感心してしまう。
唇を真っ青にして、身体をブルブルと震わせているのに、まだまだ大丈夫だと強がる子どもたち。
その姿に見ているこちらも寒くなってくる。
ひとりの男の子がフナを突き、自慢げな自信に溢れた笑顔で戻ってくると、岩にぺったりと身体をくっけて暖をとっていた子どもたちが次々と立ち上がり、川のなかへ飛び込んでいった。
負けられない。と思ったんだろうな。

October 12

081012-03.jpg

子どもたちが河原に穴を掘り、ブルーシートで足湯をつくった。
お湯はドラム缶風呂からわけてもらい、お湯が冷えると焚火で熱した石を投入。
写真は、足湯をひとりじめの「大阪のセレブ」。という設定らしい。

October 12

081012-04.jpg

日が暮れると、一気に寒くなった。
この日の夕食には「おでん」が登場。
冷えた身体には嬉しいメニュー。
キッチンさん、いつも美味しい料理をありがとう〜

October 12

081013.jpg

朝から快晴。
汗ばむほどの陽気となり、子どもたちは朝からハイテンション。
最終日だというのに、まだまだ遊び足りなそう。
そりゃ、そうだろうな。

ヤスを片手に獲物を追う子どもたち。
捕ったフナは煮付けに調理し、お裾分けをいただくとけっこう美味くてびっくり。
子どもたち自身が、その美味しさに驚いているのが可笑しい。
自分が苦労して捕まえた魚が想像以上に美味しかったとしたら、最高の気分だろうな。
もうやめられない。「川ガキ」の誕生かな。

October 13

081013-02.jpg

ばいばい。楽しい3日間をありがとう。
早いもので、来月は最終回。また元気な姿で川で会おうな〜

October 13

081013-03.jpg

河原から子どもたちの姿は消えても、「川の学校」は終わらない。
手際よくキャンプ道具を撤収し、大量の荷物を片付けるスタッフたち。
ボランティアの無報酬で参加している彼、彼女たちの存在は、本当に大きいと思う。
卒業後にスタッフとして「川の学校」へ戻ってくる子も多いのは、子どもたちから見ても、スタッフはカッコいい素敵な存在なんだろうね。

October 13

081013-04.jpg

夜。「NPO法人吉野川みんなの会」から依頼され、吉野川のほとりに建つ「天満神社」で、川ガキのスライドトークを行った。
参加者は40人ほど。
月が浮かぶ、神社の境内はとても雰囲気がよかった。
企画してくれたスーザン、足を運んでくれたすべての方たちに感謝いたします!

October 13

081014.jpg

小雨が降るなか、吉野川河口でスジアオノリ漁の準備をする人を見かけた。
吉野川に広がりはじめた海苔ヒビを眺め、川のなかも季節が移ろったことを実感。

October 14

081014-02.jpg

夕方、徳島港から和歌山港へ向かうフェリーに乗船。

October 14

081015.jpg

和歌山港から紀ノ川沿いに車を走らせ、熊野川上流の十津川へ向かった。
午前2時半。熊野川上流。
満月が雲のあいだから姿を現し、淡い光が山々を照らした。
路肩に車を停め、ガードレールに腰掛け、静かな風景をぼんやりと眺めた。
エンジンを切ると星と月の明かりだけの世界となり、街灯はなかった。
山に響く鹿の鳴き声を聞いていると、谷間は濃い霧に覆われ、月は再び雲のなかに消えてしまった。

October 15

081015-02.jpg

October 15

081015-03.jpg

先月から今月にかけて熊野川流域で撮影させていただいた方々の自宅に顔を出し、プリントした写真を届けてまわった。
喜んでいただける顔を見るのは、こちらとしても嬉しい限り。
午後は新宮にある熊野速玉大社の神事・神馬渡御式を拝見させていただいた。

October 15

081016.jpg

今日は朝早くから、文庫本・弁当・缶コーヒなどを携えて、ある場所で待機していた。
過去カメラマンが空けたと思われるフェンスの穴からは、熊野川に浮かぶ御舟島がちょうど見下ろせた。
同じアングルになるけれど、仕方ない。
トンビの鳴き声を聞きながら、ときどきうたた寝。
スタートまで平和でのんびりとした時間を過ごした。

October 16

081016-02.jpg

昨日に引き続き、熊野速玉大社の神事である「御船祭」を拝見。
1800年以上続く、伝統的な川船競漕。
午後4時過ぎ、威勢のよいかけ声が川面に響き、水しぶきをあげながら御舟島をまわっていく早船を眺めた。
惜しくも応援していた船は2位。
夜は打ち上げに混ぜてもらい、感動のお裾分けをいただいた。

October 16

081017.jpg

自宅へ戻る途中、思うところがあって“原点”ともいえる場所に立ち寄った。
社会見学の中学生や小学生がバスから降り、ふざけ合って堤防を歩いて行くのが見えた。
ここへ来るのは何年ぶりだろう。
すっかり変わってしまった風景を眺め、これからのことを考えた。

October 17

081018.jpg

一週間ぶりに帰宅。
玄関前の路地には、ひからびた金木犀の花が散りつもっていた。

October 18

081019.jpg

濃い霧のなか、日帰りで福島県本宮市へ。

October 19

081020.jpg

October 20

081021.jpg

October 21

081022.jpg

October 22

081023.jpg

朝7時。ちょっとだけ南国の町に到着。

October 23

081024.jpg

October 24

081025.jpg

October 25

081026.jpg

October 26

081027.jpg

October 27

081028.jpg

October 28

081029.jpg

October 29

081030.jpg

October 30

081031.jpg

ついこの間までTシャツ短パンで過ごしていた気がするのに、今年も残すところあと2ヶ月だなんて。
年賀状やらクリスマスという話題に接するたびに、暖かい場所へ避難したくなってくる。
夏から一番遠いこの時期は、どうも苦手だ。

October 31


September 2008-November 2008