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玄関脇に植えられ、屋根まで届くほど成長した金木犀。
花はまだまだ咲きそうもなかったけれど、水気を含んだひんやりとした空気が、なんだか懐かしかった。
午前中は机へ向かい、昨日撮影したデータ処理作業に集中。
そして夕方、羽田へ移動し、今夜は鹿児島市内泊。
明日は船に揺られ、活火山の島へ。
もういちど夏が味わえると思うと、期待で胸が膨らんでくる。

October 01

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昨夜は夜22時過ぎに鹿児島市内のホテルへチェックイン。
鹿児島空港に到着してからというもの、嬉しさで顔が緩みっぱなし。
夏よ再び。といえる気温の高さが原因。
荷物を部屋に置いた後、ラーメンなどの食料品を天文館でみつけたスーパで購入。
慌ただしくビールを飲み、目覚めると快晴。
タクシーに乗って、南埠頭へ着いたのは朝の9時。
村営定期船「みしま」に乗船し、硫黄島までは約3時間半の船旅。

October 02

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October 02

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昨日は硫黄島到着後、総合開発センターに隣接するキャンプ場へ移動し、テントを張った。
夜半から風が吹き始めたものの、明け方に見上げた空には満天の星が広がっていた。
ラーメンとリンゴの朝食で腹を満たした後、フォールディング・カヤックを組み立てる。
今日の予定は硫黄島を一周して、可能ならば島の反対側にある「穴之浜」に上陸し、謎の温泉に浸かろうというもの。
午前11時。
黒島からやってきた定期船が港を離れたのを見送って、ぼくらも茶色い海に漕ぎ出した。

October 03

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海へ漕ぎ出したのはいいけれど、海面は風の影響で予想以上に波打っていた。
東からの風が絶えず恋人岬へと続く岸壁にあたり、岬を覆う竹が激しく揺れているのが見えた。
岸壁に跳ね返された返し波に翻弄されながら岬を回り込むと、穏やかな海面が待っていた。
事前にTさんと相談し、時計回りに島を一周することに決めていた。
港周辺は温泉の影響で茶色い海水だったけれど、島の西側は透明度の高い海が広がっていた。
そして大浦を越えたあたりで、いよいよ向かい風のなかを漕ぐことになった。

October 03

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約2時間ほど漕いで、港からちょうど反対側にある坂本温泉へ辿り着いた。
ここまでおよそ8kmの行程。
先はまだまだ長いけど、ここでいったん上陸し、海岸に造られた坂本温泉へ浸かることにした。
が、なんとタイミングが悪いことに、ちょうど満潮に近かったために湯船は海水で満たされ、温泉というよりも海そのものといった感じ。
温かいお湯に浸かれるのは、干潮時に来ないといけないらしい。
ということがわかっただけでもヨシとしよう。と、Tさんと慰め合った。

October 03

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風は止むことなく、ひたすら向かい風のなかを漕ぎ進んだ。
時速は3kmといったところか。
平家城跡の岬を越えると、海面が鮮やかなグリーン系の色彩へと変化し、ぼくらを驚かせた。
返し波による複雑な波に翻弄されながらも、その色彩のグラデーションに目を奪われ、この島に来て良かったと改めて思った。
後日、徒歩で平家城跡へ出かけ、期待を胸に海を眺めたものの、カヤック上で感じた感動は味わうことができなかった。

October 03

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風のために予定していた「穴之浜」上陸は諦め、次なる温泉地である東温泉へと向かった。
あちこちから噴煙がのぼる硫黄岳を見上げ、やっと追い風になったことを知った。
背中に風を受け、パドルを漕ぐ手を休めてもカヤックはぐんぐん前へと進んで行った。
ひじょうに楽チン。
ここから港までのルートは、昨日フェリーから眺めたこともあって、精神的にもずいぶん楽だった。
のんびりと風景を眺めながら、最後の漕ぎを楽しんだ。

October 03

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今日は徒歩で島内の温泉巡り。
夕方、港の近くで釣糸を垂らすも、一匹も釣れなかった。
南の海上を北上する台風の進路が気になりつつも、日が暮れるとやることがない。
仕方なく早々とビールを飲んで眠りについた。

October 04

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硫黄島最終日。
朝、テントの撤収を始めていると、Tさんが面白いものを見つけたという。
それは体長7cmほどのサソリのような姿をした虫の死骸だった。
鹿児島市内の紀伊国屋で調べたところ、正式名は「アマミサソリモドキ」というらしい。
知らなかったなぁ。

October 05

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たった4日間だったけれど、ウミガメにも会えたし、島を一周することもできたし、充実した日々だった。
ついでに温泉ばかり入っていたから、身体も綺麗になったし。
この旅の様子は、来月10日に発売される「BE-PAL12月号」に掲載されます。

October 05

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昨夜遅く、鹿児島から帰宅。
着替えとフィルムを詰め替え、今朝は始発便で徳島へ。

October 06

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徳島駅で「川の学校」に参加する子どもたちと合流し、バスに乗って今回のキャンプ地である鮎喰川へ向かった。
車窓から眺める鮎喰川は、見事な透明度で流れていた。
興奮は伝染するもので、次々と「すごい」「すげー綺麗」という歓声が車内に響き、子どもたちが川を見て興奮する様が面白かった。

October 06

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釣りやヤス突き、網で捕まえられた魚たちは、子どもたちによって次々と料理され、彼・彼女たちの胃袋のなかへ。

October 07

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鮎喰川でのキャンプも、今日が最終日。
始めのころは戸惑いながら川遊びをしていた子どもたちも、いまは我先に川へ飛び込むほどまで成長していた。
とはいえ、10mを越える高所からのジャンプは、大人でも尻込みするほどの別世界。
初めてのチャレンジにもかかわらず、それほど躊躇せずに飛び込む子がいれば、30分以上かかってやっと足を踏み出す子どもがいる。
飛び込み遊びに対し、「高い場所からの飛び込みは大人への儀式みたいなもの」ということがよく語られる。
たしかにその一面はあるかもしれないけど、その語りは「飛び込まないと大人になれない」と言っているようで、どうも釈然としない。
飛び込んだ子どもには「よくやった」と最大限の賞賛を贈りたいし、褒めてあげたい。
でも、だからといって飛び込めない子どもが劣っているわけでもない。

そうはいっても、やはり躊躇している子には「頑張れ」と励まし、飛び込んで欲しいと思ってしまう。
でもそんな周りのプレッシャーに勇気づけられ、またあとに引けずに飛び込んでしまうより、やっぱり「ダメでした」と引き下がるほうがとても勇気のいる行為かもしれないな。

October 08

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昨夜は徳島駅に近いビジネスホテルへ泊まり、移動の疲れを癒した。
目覚めて外を見ると、空は厚い雲に覆われ、雨が降っているようだった。
チェックアウトの最終時間まで部屋でくつろぎ、空港へ向かった。

October 09

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October 09

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東京へ戻ると、玄関脇の金木犀が花を咲かせていた。
少しづつ近づいてくる冬の気配に落ち込み気味だったけれど、この香りだけは大歓迎。
今年もまた家中の窓を開き、大好きな香りを楽しんだ。

October 10

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銀座へ出かけると、物々しい警備のなか機動隊員が配置されていた。
聞くと、右翼によるデモがあるらしい。
見学したかったけれど、用事があるので諦めた。

October 10

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本日発売された「BE-PAL・11月号」の表紙と特集扉を撮影。
先日撮影させていただいた小林さん、改めてご協力ありがとうございました。

October 10

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茨城県北へ日帰り出張。
帰路はゆっくりと、SAに寄っては文庫本を読みつつ、帰宅。

October 11

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久しぶりに庭へ出てみると、枯れたと思っていたムラサキシキブに可愛い実がついていた。
すごく嬉しく、愛おしい。

October 12

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日帰りで山梨県の旧上九一色村へ出かけた。
富士山は厚い雲に覆われ、知らなければそこに日本一の山がそびえていることに気付かないくらい。
富士山を撮りに出かけた訳ではないけれど、見えないとなるとなんとも悔しい。

October 13

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October 14

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October 15

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今月もあっという間に半月が過ぎた。
月日が経つのは、なんでこんなに早いのだろう。
この間まで夏だと思っていたのに…
今朝は気温もぐっと下がって、トレーナーの上にフリースを着込んだほど寒かった。
空は相変わらずの曇天だし、なんとも気分が晴々しない。
暖かい土地へ逃避行したくなってくる。

October 16

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今日は昨日とはうってかわって、清々しい天気。
目覚めてすぐに布団を干し、太陽を身体に浴びた。
そんなおだやかな日にもかかわらず、朝からずっとデスクワーク。
ライトテーブルに向き合い、撮影済みのフィルム整理作業をこつこつと行った。

本年度の「川の学校」に参加している子どもたちへ。
これまで撮影させていただいた写真をもうすぐホームページで見られるようにします。
それまでもう少し待っててね。

October 17

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今日も家から出ずにデスクワーク。
昼食は豚肉とニンニクの芽を豆板醤で炒めて、ご飯へのせたスタミナ丼。
作業の合間、ブログやニュースを見てまわり、いまを知る。
まるで祭り。
即席のボクシング批評家が誕生し、寄って集ってここぞとばかりに転がり落ちた者を非難する様は、見ていてあまり気持ちのいいものではないなぁ。

October 18

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今日も先ほどまでデスクワーク。
作業の合間に日記を追加し、これで一応ひと安心。
さて、ぼくはこれから福島県へ。
今夜は東北自動車道のSAに車を停めて寝るつもり。
明日の微妙な天気が心配だけど、どうにもならないことを心配しても仕方ない。

October 19

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October 20

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布団に寝転び、本を読んでいた。
時々ぼくのまわりを小さな羽虫が飛び回るのが見えた。
外は昨日出会った雨が嘘みたいな青空で、雲ひとつなかった。
FMの天気予報は繰り返し「行楽地へ出かけるには最高の日でしょう」と言っていたけれど、ぼくは一日家にいた。
とてもあたたかく、清々しい日にて。

October 21

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October 22

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銀座を歩いていたら、懐かしい人に声を掛けられた。
こんなことってあるんだな。
これまでも気が付かないだけで、意外と近しい人たちとすれ違っていたのかもしれないな。

October 23

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薄暗いなか自宅を出発し、日帰りで新潟県長岡市へ。
終わってみれば、とんでもなく長い一日だったような気がする。

October 24

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今朝は頭痛で目覚めた。
数日前からの胃痛も治まる気配はなく、なんとも辛い一日の始まりだった。
こんな日は栄養のあるものを食べようと商店街へ出かけたものの、身体が寒くて買物どころじゃなかった。
なんでスーパーという場所はあんなにも冷えているんだろう。
帰宅してからは、たくさんの野菜と果物を食べ、フリースを重ね着し、大人しくしていたら、ずいぶん楽になった。

October 25

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庭のホトトギスが今年も咲き、冷たい雨が降った。

October 26

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季節外れの台風により、朝から土砂降り。
どうしようかと迷ったものの、予定通り車を運転して友人宅へ向かった。
息子が楽しみにしている。
という朝イチのメールが背中を押したかも。
で、やっぱり行ってよかった。
友人宅に到着後、荷台からキャビンを降ろす作業を手伝ってもらい、その後みんなでわいわいと御飯を食べた。
久しぶりに子どもと遊び、こちらまで楽しい気分になった。
おかげで帰路も雨が降り続いていたけれど、なんだか気分が明るくなった。

October 27

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夜明け前に自宅を出て、群馬県の赤城山へ向かった。
キャビンを降ろして身軽になった車は、まるで別モノ。
エンジンに余裕が生まれたお陰でストレスなく走行できて、あっという間に目的地へ到着することができた。
雪化粧をした浅間山が遠くに見え、台風一過で雲ひとつない青空が清々しい朝だった。

October 28

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帰り道。自宅近くまで戻ったところで、路上に浮かぶまん丸の月を見た。

October 28

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衆議院議員会館で行われた国交省への申し入れと川の未来を考えるシンポに参加。
数々の馬鹿げた事業が全国各地で進められ、それらの現状報告を聞くたびに情けない気持ちになってくる。
怒りではなく、どうしてこんな国になってしまったのだろうかと途方に暮れてしまう感じだ。

October 29

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October 29

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火事を起こした後、しばらく放っておかれたアパートの取り壊しが始まった。
そのため朝から騒音が響き渡り、ときどき振動で家が揺れた。
今度は鉄筋のアパートが建てられるという。
しばらくはこの騒音と付き合わざる得ないと思うと、気が重いなぁ。

October 30

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October 31


September 2007-November 2007